高視聴率・日テレ「〇〇妻」はなぜ生まれた? 「家政婦のミタ」コンビが考えた究極の"愛"
妻に対して、優しくなれた
――大平さんは、企画が立ち上がった頃はよく奥様の愚痴をおっしゃっていたというお話でしたが、現在はいかがですか? このドラマを撮っていく中で、ご夫婦の関係に何か変化はありましたか?
妻に対しては、優しくなりました。このドラマを始めた頃は、実は離婚を考えるくらいだったのですが、今思うと、すべては自分がいけなかった(笑)。
ドラマを作っていくうちに、夫婦というのは支え合うもので、本当にお互いさまなんだなって思ったのです。僕は絶対にひとりでは生きていけない人間なので、「この人を大事にしなきゃいけないな」というふうに思えたんですね。
「ありがとう」とか、「いつも大変だね」って、一言、言ってあげるだけで全然違うのに、そういうことを平気で怠っていたな、と今は思います。そんな反省も込めて、このドラマを作ったつもりです。
『ローズ家の戦争』(米・1989)という、夫婦の離婚争議を描いた映画があるのですが、その中で、離婚をしたいと言ってきた依頼人に弁護士が「昔こんな夫婦がいてね」という話をして、離婚を思いとどまらせるエピソードがあるのです。「今日、家に帰ったら、ほんのひとかけらでもいいから、自分がかつて心から愛した、その愛のかけらを探してごらんなさい」って言うんですよ。
このドラマもそんなふうに、かつては相手を好きで好きで結婚したときの気持ちを思い出してもらうきっかけになれたらいいな、と思います。
――そのために「契約結婚」をするというのは、いいですね。わたしもこれまで「結婚って何だろう?」ということをテーマに取材してきたのですが(『オトナ婚です、わたしたち』)、契約更新制にするのは、結婚したときの気持ちをキープするのにとてもいい方法だと思います。
僕も最近、「契約」にしようかな、と思ったりもしますよ。毎年契約を更新して、そのたびに条件闘争もして、判を押し合って、「じゃぁ、また1年間仲良くやろうね」というふうにしたら、もっとうまくいくんじゃないかなって。
「更新してもらえないんじゃないか?」っていう緊張感があるくらいのほうが、お互いにいいんじゃないですかね。
――最後に、ドラマの今後の見所を教えていただけますか?
ひかりには、夫の正純が知らない「5つの秘密」があるのです。そのうちのひとつが、1話で明かされた「契約」ですね。残りの4つが、これから明らかにされていきます。
まず4話では、ひかりの衝撃的な過去の事実が明かされ、5話ではひかり自身の口から、彼女の過去が語られます。「〇〇」に入る言葉についても、見ている方それぞれが考えながら、見ていっていただけたらと思います。
妻であれば「自分はいったい“何妻”なんだろう?」、夫であれば「自分の妻は“何妻”だろう?」と。そして、「この“ひかり”という女性は“何妻”なんだろう?」と。
(撮影:今井康一)
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