時速6km「歩道通行車モード」は安全な速さか? 「電動キックボード」新規定への期待と不安

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一方、筆者が所有する電動キックボード(既存)は、長さ110cm×幅48cmで定格出力は250W。これはタイヤの径が大きいモデルであり、今販売されている電動キックボード(既存)の中では大柄な部類に属する。

つまり、今後量産される電動キックボード(小型低速車)は、筆者の所有モデルより大きなサイズが登場する可能性があるということだ。

では、電動キックボードの操縦性はどうか。筆者が電動キックボード(既存)を日常的に使用する中での、個人的な感想をお伝えしたい。もっとも大きなポイントは、2輪車との運動特性の違いだ。

同じ2輪車でも異なる特有の動き

多くの人にとって、電動キックボード(既存)の運転にはすぐ慣れると思うが、走行感覚は同じく前後輪が1輪ずつある、自転車や自動2輪車とは大きく違う。

なぜならば、運転者が進行方向に対して“少し斜に構えて立っている”からだ。左右コーナーでの体重移動の感覚が、進行方向に対して左右対称の状態で座っている自転車等の2輪車と違うのは当然である。

コーナリングでのリーン(車体を傾けること)についても、2輪車とは走行感が違う。自動2輪車の場合、アクセルによってリーンやリーンからの切り返しをコントロールするが、電動キックボード(既存)ではモーターの出力やトルクが比較的低いため、積極的にリーンさせるような走り方にはならない。

電動キックボードは、自転車やバイクのようにリーンすることがしづらい(写真:マルリィ / PIXTA)

そのため、電動キックボード(既存)の使用経験が少ない人の多くは、左右の体重移動でコーナリングするというよりは、ハンドルを小刻みに切りながら平面的な方向でコーナリングするイメージで走っている印象がある。

ただし、筆者の所有車両は定格出力が250Wであるが、国土交通省で現在検討されている定格出力の最大値が600Wに決まれば、リーンに対するアクセルコントロールの幅も広がるだろう。実際、出力が大きな電動キックボード(既存)を試乗した際、リーン中の車両に対する操作性と安定性が高いと筆者は感じた。

もちろん、出力を上げれば航続距離の減少に影響するし、それに対処するため搭載するバッテリー量を増やせば、運動性能に影響することになるから、一概に「どちらがいい」とは言い切れない。

直線路でのスピードについては、最高速度の時速19kmで走ると、交通量のほとんどない日中の住宅地や山間部では速く感じて「もっと、のんびり行こう」という気持ちになるが、他の交通と混在する場合は“かなり遅く”感じる。

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