阿部サダヲ、劇団の仲間に「恥ずかしい」と思う訳 今や演技より「稽古初日のジャージ」が気になる
──阿部さんは、松尾さんに見いだされて大人計画に入って以降25年以上、約4半世紀にわたって作品に出ていらっしゃいますけど、松尾さんはどんな人ですか?
阿部:それがね、松尾さんのこと、いまだにわかんないし、あんまり付き合いないんです、実は(笑)。年々重ねていくうちに、舞台以外では会わなくなっちゃったし。どういう人だかとか、そういうのってあんまり知らないし、彼も知られたくもないだろうっていう感じがするから(笑)。
でも、それはそれでよくて、わからないからいいんです。それでも、どんどん松尾さんのすごさが増している感じはするし。最近では演出のみされていますが、それも松尾さんにとってハマっているのではないのかな、と。まぁ僕が言えることは……お元気そうで何よりでございます♡ということでしょうか(笑)。
──そんな松尾さんが主宰する大人計画でのお芝居というのは、やはり特別なのでしょうか?
阿部:僕は最初から大人計画所属なので、ここしか知らないんですよね。松尾さんが取ってくれなかったら今の僕はいなかったと思うし。だからこそ、ここがいちばん自分に合っていて、自分を表現できる場所なのではないか、とは思います。ほかの現場だとちょっと気取っていますよ、僕。よそ行きというか(笑)。
大人計画の人とは、どうでもいいコトが気になってくる
──今回は、大人計画の皆さんとご一緒ですから、やっぱり安心してお芝居ができる?
阿部:大人計画の人とは本当に付き合いが長くて、なんかもう恥ずかしいぐらいの域に達しているというか。とくに、今回、僕は冒頭から麻生(久美子)さんと演じるのですが、稽古をあいつらに見せるのが恥ずかしい! 「見てるな、皆川猿時」みたいな(笑)。演技云々ではなくて、「稽古初日はどういうジャージ着てくるんだ、あいつは」「パンフレットのときのTシャツはいったいなんだ」とか、どうでもいいコトが気になってきますね。
──大人計画の舞台にとっては、麻生(久美子)さんももうおなじみですよね。
阿部:もうおなじみになるんですね(笑)。何回か一緒にやらせていただいていて、またご一緒できたらと思っていたのでうれしいですね。今回は兄妹役なので近い関係性ですし!
──麻生さんが「阿部サダヲさんとお芝居できることが楽しみ。きっとカッコこいいんだろうな」と仰ってますが。
阿部:アキオはカッコいい役じゃないんですけどね(笑)。でも、そう言ってくれるのはうれしいです。麻生さんが演じるマリエしかり、新しいメンバーとの共演はもとても楽しみです!