JR西「人型ロボ」実用化に挑む3人の社長が描く夢 量産化や他業界への展開、「下半身」も開発中

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金岡氏はこの質問を笑って否定した。大学の学部と修士では化学を専攻していたが、博士課程への進学に際し、化学の研究で一生を終えることに疑問を感じて、ロボット工学に変更した。「ロボットが特別好きというわけでもなく、消去法で選んだら一番ましだったのがロボット工学かな」という程度の動機だったという。

きっかけがロボットアニメというわけではなかった。しかし、ガンダム、マクロス、そして人型の作業用重機が主役の「機動警察パトレイバー」などのロボットアニメは「決して嫌いではない」と笑う。

むしろ、嫌いではないどころではない。零式人機というネーミングは明らかに「新世紀エヴァンゲリオン」の影響を感じさせる。社屋のデザインは横たわっている「マジンガーZ」を思わせる。

人機一体の金岡博士社長(記者撮影)

そもそも、金岡氏の博士という名前は本名ではない。本名は「克弥」だが、博士を通り名として名刺に刷り込んである。「鉄腕アトムといえばお茶の水博士。ほかにも天馬博士、敷島博士……。ロボットを造る会社なら博士でしょ」。要するにロボットが好きでたまらないのだ。この後は、ロボットアニメにとどまらず、ロボットが主役の『パシフィック・リム』『リアル・スティール』といったハリウッド映画にも談義が広がるが、ここでは割愛する。

「人の相似形」は操作しやすい

本題に戻る。金岡氏がロボット工学で目指したのは人間が身体的な苦役に従事しなくてもよい社会にしたいというものだった。形状については、ホンダの「ASIMO」やソフトバンクの「Pepper(ペッパー)」などの人型にはこだわっていなかった。

工場でものを組み立てるロボットを例に取れば、アームが1本のロボットもいれば、アームが3〜4本あるロボットもいる。「頭が1つで腕2本、足2本がベストという状況は実は限られている」。作業内容によって、ふさわしい形状があるのだ。逆に、「作業内容が特定されず、汎用的に作業をこなすロボットであれば、人型にも一定の意味がある」。

さらに、「人間がロボットを操作する場合は、人の相似形が操作しやすい」とも言う。確かに人間の腕は2本なのだから、ロボットの腕も2本にして人間の右腕はロボットの右腕、人間の左腕はロボットの左腕を操作するというのはわかりやすい。逆に人間の2本の腕で8本腕のロボットを操作するのは難しそうだ。「まず、人が操作する汎用ロボットとしてできる限り人型に近づけ、次の段階で実際の作業内容に応じて変えていく」というのが金岡氏の考え方だ。

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