JR東「水素車両」、南武線で実験する納得の理由 「脱炭素」、JR東海は次世代バイオ燃料を試験

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JR東日本の燃料電池ハイブリッド試験車両、FV-E991系「HYBARI(ひばり)」(記者撮影)
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輸送に伴う二酸化炭素(CO2)排出量がほかの交通手段よりも少ない鉄道は、環境にやさしい交通機関の優等生である。マイカーや航空機から鉄道へのシフトが進めば自ずと環境負荷の低減が図られるが、列車の運行に必要な電力や燃料がCO2を排出していることに変わりはない。

国は2050年までにCO2などの温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指す。そのため鉄道各社もさらなるCO2排出削減に向けさまざまな手立てを講じている。

JR東日本は「燃料電池車両」

2月18日、JR東日本の新たな試験車両FV-E991系「HYBARI(ひばり)」が川崎市内にある同社の車両基地で報道陣に公開された。ひばりは水素をエネルギー源とする燃料電池の電力とバッテリーの電力を主電源とするハイブリッド車両で国内初。3月下旬から鶴見線、南武線の一部区間などで実証試験を行う。

JR東日本は日立製作所やトヨタ自動車とともに車両開発を進めると2020年10月に発表していた。日立は鉄道用ハイブリッド駆動システムの技術、トヨタは燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」の開発で培った燃料電池の技術を有している。これらの技術を融合して、新たな試験車両を実現した。車両を製造したのはJR東日本の子会社、総合車両製作所である。

「当社は2050年度のCO2排出量実質ゼロを目指しているが、2030年にはまずその半分くらいを減らしたい。その頃にはこの車両をベースにした車両をいろいろな路線に導入できるようがんばっていきたい」と、JR東日本研究開発センターの大泉正一所長が意気込みを語る。車両の製造価格は非公表だが、実証実験のランニングコストも含めた開発費は約40億円という。

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