暴れん坊Uberが東京で受け入れられるワケ 各国で規制違反が問題に、一方で日本は?

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ユーザーと車両、片方だけ増やしても意味がなく、両方をバランスよく増やしていかなければならない、というのがわれわれのビジネスの面白いところ。たとえば、世の中的に需要の多い時間帯にはタクシーの空車台数も減るので、そうした時間帯にどうUberプラットフォーム上の供給を増やすか、ということを、データなどをパートナー企業と共有しながら考えていきたい。

ニューヨークやサンフランシスコのような、Uberが街の交通そのものを変えているような都市では、平均到着時間は2~3分台なので、究極的にはそのレベルを狙いたい。現実的には2015年中に5分台にもっていければと思っている。

 お客さんからの評価がモチベーションアップに

――提携先からの反応は?

これまでタクシー会社やハイヤー会社、ドライバー自身もそうだと思うが、利用者からダイレクトにフィードバックを得る機会は多くなかった。タクシーだったら乗車が終わればお客さんとの関係は基本的にその時点で終了だが、Uberの場合はそこから先がある。利用者からの評価やコメントはパートナー会社とも毎週共有している。ドライバーにとっては数値やコメントなど、ある意味、成績表に近いものが出てくるのでモチベーションの向上につながるし、パートナー会社はそれを教育などに利用してサービスの向上を図っている。

一方、タクシーの場合は、空車の時間が減ったことで売り上げ増になったという声も聞こえてくる。タクシーにとっては、流しでお客さんを拾ったり、無線で依頼をかけられるほかに、Uberという新たな手法でお客さんを確保することができる。

――現在はタクシーとハイヤーの配車が主ですが、Uberを使えば、ほかにも色々なことができますよね。

これまでの実績を通じて、東京でどういった需要があって、どういう方が使っているのか、というのが分かりつつあるので、こうしたデータを基に今後どういうことができるのかを考えている。Uberは汎用性の高いプラットフォームなので、さまざまなことが可能だ。タクシーやハイヤーのサービスでも、空港からの送迎需要だったりとか、これまで満たし切れていなかったところを補完することで、新しいビジネスチャンスにつなげていけたらいい。

私もサンフランシスコに住んでいたいので、Uberのポテンシャルの高さは肌感覚で知っている。そして、それを早く、自分の母国で実現したいと思っている。サンフランシスコではUberだけでなく、ほかのオンデマンドサービスもたくさん利用したが、そういったものが日本でもっと普及してもらいたい。

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