子どもの「睡眠時間」徹底的に調べてわかった真実 意外に個人差は大きいがおおよその目安がある

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少し違う角度から見てみよう。子どもがどこで、どういう状態で眠るかで、睡眠時間に差は生じるのだろうか?

子どもが親と同じ部屋で眠ることは安眠の妨げになる?

アメリカ小児科学会は、SIDS(赤ちゃんが眠っている間に突然亡くなってしまう症例)予防のために赤ちゃんを少なくとも生後6カ月まで、理想的には1歳まで両親の部屋で寝かせることを推奨している。同室であれば、両親が赤ちゃんの様子に注意しやすいという考え方だ。ただし、それ以上親子同室の期間を延長するメリットはないようで、むしろ実際にはリスクが生じる。子どもの睡眠だ。

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2017年の研究で、子どもが親と同じ部屋で眠ることが安眠の妨げになるかどうか検討された。結果はその通りだった。生後4カ月では親子同室でも別室でも、赤ちゃんの総睡眠時間は同じだったが、後者のほうが集約していた(続けて眠る時間が長かった)。子ども部屋のほうが静かなのだ。

9カ月では、1人で寝ている赤ちゃんのほうが睡眠時間は長かった。効果は生後4カ月まで1人で寝るようになった子がいちばん大きかったが、4カ月から9カ月の間に子ども部屋に移った子でも効果はあった。

注目に値するのは、子どもが2歳半になってもまだ差が存在していたことだ。生後9カ月までに1人で寝ていた子どもは、同時期に親子同室だった子どもよりも、夜間の睡眠が45分長かったのだ。

子どもの睡眠時間には、次のような結論が導ける。

・睡眠スケジュールにはおおよその目安がある。
夜間の睡眠時間は生後2カ月頃に長くなる
生後4カ月頃にお昼寝3回に移行
生後9カ月頃にお昼寝2回に移行
生後18〜23カ月頃にお昼寝1回に移行
3歳頃にお昼寝がなくなる
・子どもによってばらつきが大きく、親が変えられることはほとんどない。
・いちばんばらつきが少ないのは、起床時間が午前6時半から8時。
・生後数カ月以降の乳幼児は1人で寝たほうがよく眠れる。
エミリー・オスター ブラウン大学経済学部教授

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Emily Oster

米アイビーリーグの名門校、ブラウン大学経済学部教授。経済学者の両親のもとで育つ。ハーバード大学で統計学を学び、経済学の博士号を取得。開発経済学、医療経済学など幅広い分野の研究成果がメディアで注目され、2007年には有名講演者の登壇するTEDカンファレンスでアフリカのエイズ問題を講演。シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス准教授時代の2013年、自身の妊娠出産で検証した客観的なデータをもとに、著書『お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント』(東洋経済新報社)を刊行、大反響を呼ぶ。夫は同じブラウン大学教授の経済学者ジェシー・シャピロ。2人の子どもと共にロードアイランド州プロビデンスに在住。

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