子どもの「睡眠時間」徹底的に調べてわかった真実 意外に個人差は大きいがおおよその目安がある

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2016年、『ジャーナル・オブ・スリープ・リサーチ』誌に掲載された5人の著者による論文では、ジョンソン&ジョンソンの協賛アプリで親が記録した、赤ちゃんの睡眠パターンのデータが利用された。研究では、記録に信頼性があると思われる人々に注目し、841人の子どもの15万6989回の睡眠データを分離した。きめ細かなデータのおかげで、子どもによって睡眠がどれだけ違うかがわかる結果になった。かなり違うのだ。

たとえば、夜間の睡眠時間。研究データでは、生後6カ月の赤ちゃんは平均で夜10時間眠る。先の研究結果とだいたい同じだ。25パーセンタイルの赤ちゃん(下位25%の範囲。あまり寝ない赤ちゃんのはずだ)は9時間で、75パーセンタイルなら11時間だ。では、6カ月の赤ちゃんの全データの範囲はどうだろうか。データには、夜6時間しか眠らない赤ちゃんから15時間眠る赤ちゃんまでいた。子どもは夜何時間眠るかという問いの答えは1つではないのだ。

昼寝に関するデータでも同様のばらつきがあった。日中の睡眠で、1回で一番長い睡眠時間は、生後1年間で平均1時間から約2時間に増えるが、その範囲はかなり大きく、どの年齢でもまったく昼寝をしない子がいれば、3時間連続で眠る子どももいる。

同様に、昼寝が2回から1回に移行するタイミングも様々だ。多くの子どもは、11カ月前後ではっきり区別できるお昼寝を2回し、19〜20カ月には大半は1回になるが、データでは移行期間はかなり長く、お昼寝が1回に切り替わる時期は子どもによって大きく変わることがわかった。

「起きる時間」はどの子もだいたい同じ

つまるところ、生活スケジュールの多くの要素は子どもによって違い、自分の子どものスケジュールはこうした違いに合わせて立てることになる。

だが、何もかもが違うというわけではない。とくにあまり違いがないのは「起床時間」だ。生後5〜6カ月でも、過半数の子どもは午前6〜8時の間に起きている。2歳になる頃には、その幅は小さくなり、6時半〜7時半になる。

夜間の合計睡眠時間には違いがあり、起床時間には違いがないとなると、当然、就寝時間に相当の違いがあるはずだ。実際そうで、睡眠時間を多くしたければ、寝かせる時間を早くすべきかもしれない。現実的に起床時間を遅くできないからだ。就寝時間も起床時間も遅くしようとしても、おそらくうまくいかないはずだ。

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