ロシアの侵攻を理解するためには地政学を知る必要がある。「きほんのき」を徹底解説。
地平線のかなたから土煙を上げて押し寄せてくる侵略軍。町の住民はあちこちの道にバリケードを築いて守ろうとするが、あえなく打ち破られる。男性は殺されて道端に捨てられ、女性や子どもは暴行されて連行される。あらゆる建物は破壊されてがれきにされ、放置される──。
これは最近報じられたウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊の惨劇の描写ではない。1240年にキーウを襲ったモンゴル帝国による侵略の記録だ。その際キーウは徹底的に破壊され、人口5万人の町は2000人まで減ったとされる。大陸国家ロシアの心理は、この“地平線の土煙”への恐怖がわからないと理解できない。
地政学とは何だろうか。それは同じ人間なのに生まれ落ちた土地によって出てくる行動様式の違いを考えることといえる。地理的環境が大きく変わらない限り、人間は同じ悲劇を繰り返す可能性があると知ることでもある。
ロシアの強迫観念
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら