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社会主義国家「ソビエト連邦」はなぜ消滅したのか 東側の盟主だった「民主共和国」の虚像と実像

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一党独裁でありながら「民主主義」を志向したソ連。20世紀に出現し消滅した国家から、私たちは何を学べるのか。

ソ連の科学技術は大きく発展した。ガガーリンが乗るボストークは世界で初めて宇宙を有人飛行した(写真:AP/アフロ)

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世紀前半の二度の世界大戦を経て、20世紀後半の世界は、東西両陣営の「冷たい戦争」を40年ほど経験することになった。

冷戦期には局地的な「熱い戦争」も起こっており、核戦争が勃発するおそれもあったが、両陣営とも全面戦争は避けようとした。その結果、冷戦状態ではあっても、「平和共存」や「デタント(緊張緩和)」として知られる時期もあった。

「平和共存」は「平和競争」でもあり、東西両陣営は経済、政治、文化などの分野で体制間競争を繰り広げていた。

経済においては、「社会主義計画経済体制」と「資本主義市場経済体制」の競争だった。両陣営は、経済力、生産力・生産性、軍事を含む科学技術の開発と実用化などの面で、その優位性を国内外の人々に示そうとした。

2つの民主主義の競争

政治においては、この競争は2つの民主主義の競争、すなわち「社会主義的民主主義」と「自由主義的民主主義」の競争だった。

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