出口なきジーンズ苦境、狙われる会社はどこだ レギンスブームも痛打、縮み上がる市場

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縮小

ジーンズ業界に詳しい繊維流通研究会の南充浩氏は「トレンドを逃したジーンズでは次のブームは3~5年先」と分析する。リーバイ・ストラウス・ジャパンも11年11月期は前期並みの21億円の営業赤字予想。昨年に日本国内から香港へ集約したばかりの商品企画部門を、さらに本国の米国へ移すことを検討している。縮小する日本市場の重要度が薄れたのは間違いない。

もはや自力再建は困難か 市場では「割安」銘柄

この先業界にはどんなシナリオが待っているのか。最も動向が注目されているのは、ジーンズメイトだ。07年2月期に107億円超まで積み上がった利益剰余金はすでに50億円を切った。昨年11月に社員の3分の1に相当する109人の早期退職を実施。売りだった24時間店舗も営業時間を短縮し始めている。このまま赤字が続けば、いずれ資金不足が顕在化してもおかしくない。

 もっとも現金流出はあったものの、過去からの“蓄積”で、同社の自己資本比率は79%と依然高い。都心の駅近くに多い店舗は、売り場面積が80坪程度と狭いが、立地のよさは魅力的だ。PBR(株価純資産倍率)が0・5倍を下回ることから、「割安」の同社株が狙われたのは容易に想像できる。

本業での浮上策が見いだせないジーンズメイトに対し、業界では「自力再建は難しいのでは」との声も出始めた。同業以外にチヨダのような靴専業店も含め、提携や合併などがいつあってもおかしくはない。突然の株価暴騰は業界再編ののろし、との憶測は消えない。

(鈴木良英 =週刊東洋経済2011年2月11日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。 
鈴木 良英 東洋経済 記者

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すずき よしひで / Yoshihide Suzuki

『週刊東洋経済』編集部記者

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