「ヘソ出し」「ミニスカ」ファッション人気再燃の訳 40代には懐かしい「Y2K」がZ世代にウケている

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コロナ禍になってからのキャンパスライフで気付いたことがある。対面授業が復活しても以前のように、毎日キャンパスに通うわけではない。そのような状況下で週に1回会うゼミの学生のファッションにとても「気合い」が入っているのが窺えるのだ。

キャンパスに通うのが日常ではないからこそ、人と集いおしゃれをする場が減ったからこそ、人と対面で会う時には、装うことに力が入るのではないだろうか。あるいは自分の気分を上げるために好きな格好をするようになったのではないだろうか。

よって、今までなら「派手すぎる」「頑張りすぎている」と敬遠されそうなY2Kファッションがすんなりと彼らに受け入れられたのではないか。装うことの楽しさを思い起こさせるY2Kファッションに惹かれたのではないか。

当時とは「違う」現代らしい要素

もちろん、Y2Kファッションと言っても、当時とまったく同じものがリバイバルしているのではない。ミニ丈、肌見せ、カラフルな色使い、アイコニックなブランドバッグというその要素が復活しているのであって、味付けはずいぶん「今風」になっている。あくまでも、ヘルシー、サステナブル、ジェンダーレスといった時代の気分を纏っての復活である。

例えば、かつては決してありえなかったスニーカーを履くことや、コーディネートするアイテムは必ずしも新品でなくてもよいことにそれが現れている。 

Z世代はヴィンテージや古着への関心も高く、Y2Kファッションも親世代のアイテムを効果的に使ってコーディネートしているようだ。その辺りのサステナブル感覚もY2Kファッションが支持された理由だろう。

新しいものだけがファッションではない。機能性と着心地のよさだけがファッションではない。Z世代がY2Kファッションを好む根底にはそんな想いが潜んでいるような気がする。

米澤 泉 甲南女子大学人間科学部文化社会学科教授

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よねざわ いずみ / Izumi Yonezawa

1970年京都生まれ。同志社大学文学部卒業。大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は女子学(ファッション文化論、化粧文化論など)。『おしゃれ嫌い―私たちがユニクロを選ぶ本当の理由』『「くらし」の時代』『「女子」の誕生』『コスメの時代』『私に萌える女たち』など著書多数。

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