「ヘソ出し」「ミニスカ」ファッション人気再燃の訳 40代には懐かしい「Y2K」がZ世代にウケている

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この世界的なY2Kファッションブームに火をつけたのは、Z世代と呼ばれる若者たちだ。これからの消費の動向を左右すると言われるZ世代は、1990年代半ばから2000年代に生まれたいわゆるデジタル・ネイティブ世代でもある。まさに、「Y2K」前後に生まれた世代が成人を迎え、自分たちが生まれた頃のY2Kファッションに惹かれているのだ。

ちょうど彼らの親世代がかつてY2Kファッションの主役だったことも関係しているだろう。Z世代にとって、Y2Kファッションは「お母さんやお父さんの若い頃のファッション」であり、写真や映像で目にする機会も多かったはずだ。レトロファッションの中でも、もともと親しみがあったスタイルであることが復活の理由として挙げられる。

大人には懐かしく、若者には極めて新鮮

Y2Kファッションが復活したもう1つの理由としては、流行のサイクルが挙げられるだろう。一般にファッションのトレンドは20年周期といわれている。スカート丈もパンツのシルエットも眉の太さも口紅の色もだいたいそれぐらいで一周する。短くなったり長くなったり、太くなったり細くなったり。行き着くところまでいくと揺り戻しで元に戻るのが流行というものだ。

タイトなトップスにローライズのデニム、Y2Kファッションのお手本、とされるのが歌手のブリトニー・スピアーズが2000年前後にしていたファッションだ(写真:hotoshot/アフロ)

それに20年経てば20代の若者も40代になる。世代もすっかり入れ替わり、前回の流行を担っていたギャルも立派な大人になる。その頃にはブームも過去の産物になり、たいていの人々は流行ったことも忘れているというわけだ。

というわけで、大人世代にとってはどこか懐かしく、その子ども世代である若者にとっては極めて新鮮に映るのがY2Kファッションなのである。

とはいえ、Z世代がY2Kファッションに惹かれる理由はそれだけではない。親世代の流行の再来が新鮮だったから、だけではないのだ。時代背景も含めて、もう少し分析してみよう。そもそもZ世代にとってのファッションとはどのようなものだったのだろうか。

ユニクロのフリースがおじいちゃんから孫までに普及し、「国民服」と言われるほどブームになった頃に彼らは生まれた。物心ついた時にはファストファッションが流行語になり、「ほどほどに流行を取り入れた安い服」がどこででも手に入る環境で彼らは育つ。おしゃれをするのに、コストもエネルギーもそれほどいらない時代に彼らは思春期を迎えたのだ。

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