「ヘソ出し」「ミニスカ」ファッション人気再燃の訳 40代には懐かしい「Y2K」がZ世代にウケている

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そのような中で東日本大震災が起こり、人々の価値観も大きく変化する。きらびやかに装うよりも、日々のくらしを充実させることが重要だ。当たり前の毎日をていねいに暮らすことが本当の幸せだとして、「ていねいな暮らし」ブームがやってくる。ファッションよりも食や住、ライフスタイルに人々の関心は移っていった。

そうなるとむしろ、おしゃれを頑張りすぎることが恥ずかしくなっていく。服はもうユニクロで十分だ。いや、むしろユニクロがおしゃれなのだ。過剰にデザインされた服ではなく、シンプルな服を着こなすことがファッションの王道となる。もちろん、機能性と着心地のよさが最重要課題である。

所有からシェアへ。断捨離やミニマリズムの流行もそれを後押しする。おしゃれとは数少ないアイテムを厳選してロジカルにコーディネートすることと同義になっていく。

何しろ、ファッション産業が環境にいちばん負荷をかけているのだ。次から次へと流行を追いかけて服を買うことほど環境破壊につながることはない。こうして、サステナブルファッションが当たり前となった時代に彼らはZ世代と呼ばれるようになった。

さらに追い討ちをかけるように世の中はコロナ禍に見舞われた。ステイホームに自粛生活。オンラインでキャンパスデビューした彼らにY2Kのようなおしゃれの入り込む余地はないはずだった。 

コロナ禍が「ファッション観」を変えた

そんな彼らがなぜ、突然今までのファッションの対極にあるY2Kファッションに惹かれたのだろうか。Z世代がおしゃれに関心を持つようになってからは、頑張りすぎないエフォートレスな装いがずっと主流だった。

スニーカーにリュックサック、ユニクロのライフウェアが席巻する世の中で、Y2Kファッションにチャレンジするのはなかなか勇気がいるはずだ。ほとんど、コスプレに近いかもしれない。しかし、意外にもコロナ禍がプラスに作用した。結果的に今までの価値観をリセットする方向に働いたのだ。

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