医師が提案!疲労困憊な肝臓を「いたわる食べ方」 糖質ゼロを避け、空腹で脂肪肝を減らしていく
だから、糖質をゼロにしてはいけないのです。糖質を減らした重さ以上の野菜を食べて食物繊維を十分に摂ること、そして減量中こそ水分をたっぷり摂ることが、便秘を予防するうえで大切です。
とくにおすすめの腸活食材は、キャベツ、納豆、ヨーグルト、大根、山いも、みそです。ぜひ、食卓に取り入れてみてください。
看護師をはじめ、シフト勤務の方々は、どうしても不規則な食事時間にならざるをえないですね。こうしたケースでは、どうやって日々、規則正しくできるかを、患者と一緒に考えることが多いです。
例えば、お昼に出勤するときは、その前に昼食をとる。帰りが深夜なら、帰宅後には食事はとらず、勤務中の休憩時間に食べるようにするなど、できる範囲で毎日の食事時間を同じようにすることをアドバイスしています。
また、勤務時間帯から野菜をとりにくい患者も多いので、野菜スープなどの簡単な料理法もお伝えしています。
空腹は肝臓から脂肪を減らすチャンス
お腹が空いたとき、「あーつらい。食べたい……」と思いを巡らせるか、「あー、今、私の脂肪が減っている。肝臓も喜んでいる」と喜びにつなげるかで、ダイエットのモチベーションは大きく変わるのではないでしょうか。これは、考え方の問題ともいえますが、実際に空腹がもたらす効果を知ることで、患者の受け止め方に変化が現れています。
細胞のエネルギー源となるのはブドウ糖ですが、血液中のブドウ糖濃度は100mg/㎗に保たれています。細胞のエネルギーとして使われなかったブドウ糖は、いくつも合わさって「グリコーゲン」という糖質になり、肝臓と筋肉に蓄えられます。そして、筋肉を使うと筋肉内のグリコーゲンがエネルギーとして使われます。
一方、空腹になると、肝臓内のグリコーゲンが分解されてブドウ糖になり、低くなった血糖濃度を維持しようとします。空腹で肝臓のグリコーゲンを使い始めるときに、脂肪がエネルギーに変換されるスイッチが入るので、このスイッチを逃して食ベてしまうと、体内の脂肪がエネルギーに変わることはなくなってしまうのです。
なぜなら、食事で摂る糖質が少なくなると、脂肪やタンパク質から糖を生み出す「糖新生」という仕組みが人体にあります。この働きは肝臓で行われていて、脂肪を減らすという意味でも有効です。
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