日産の「自動運転中の事故を回避」超絶技の意味 不運重なる複雑なシーンも瞬時に認知して避ける
今回発表されたGround truth perception技術は、想像するだけでも実現のハードルがきわめて高いこの領域に応えるもので、2020年代半ばまでには開発を完了させ新型車に順次搭載していき、2030年までにほぼすべての新型車に積むことを目指しているという。
今回、筆者は神奈川県横須賀市にある日産GRANDRIVEで、そのデモンストレーションを体験してきた。用意されていた車両はスカイライン。システム構成として、次世代LiDARがルーフ前端に据え付けられているほか、全9基のカメラと7基のレーダーが搭載されていた。
130km/h領域で渋滞末尾を確認し回避するために必要
次世代とされるこのLiDARは、検知距離が従来の160mから300mとほぼ倍になり、それに合わせて分解能は0.1degから0.05degに向上している。また、垂直視野角は従来の10deg以下から25deg以上に拡大されたという。これらは130km/h領域で前方の渋滞末尾を確認し回避するために必要な性能として導き出されたものだ。
Ground truth perception技術ではこのLiDARとカメラ、レーダーの情報を統合したセンサーフュージョンにより、周囲の形状・位置を格段に高い精度で3次元計測する。LiDARは速く、正確に3D空間を認識できるのがいちばんのメリット。カメラはその認識した情報に意味付けを行う。
たとえば、それがクルマなのか障害物なのかを判断したり、標識を読み取ったりするのは画像のもっとも得意とするところだ。そしてレーダーは、物体の移動距離と速度の検知を行う。これらを組み合わせることで周辺状況を正しく把握する。たとえばカメラ画像だけを使ったシステムの場合、距離や速度は画像データからの推測となるが、このシステムはリアルな“真実”を認識するというわけである。
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