まず「ロジカルスピーキング」から始めよう グローバルビジネスの現場で必須のスキル

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日本では、ディベートに対して、「詭弁を助長するだけ」「『正解』を覚えることが中心の日本の教育制度にはそぐわない」といった批判や、競技として導入することへの抵抗もあるようだ。ディベートに関する本格的な教育を受けた専門家や指導者が少なく、十分な研究に基づいた指導手法がまだ、確立されていないという事情もあるだろう。

一方で、グローバル化の波は否応なしに押し寄せている。日本の国際的な発言力の低下が叫ばれる中で、世界の舞台で、自らの主張や意見を論理的に語り、説得し、相互に理解しあうための「語り部」となるリーダーたちの育成は急務であり、その過程で、ディベート教育は避けては通れない道ではないだろうか。

パブリックスピーキングの3つの黄金則

最後に、前回と同様、"ディベートの鉄人"ラドリー・グラッセー氏に聞くコミュ力アップ3つの黄金則を掲載する。今回は、パブリックスピーキング編だ。

①Practice

人前で自然にうまくしゃべれる人などそうはいない。結局は練習に次ぐ練習。これに尽きる。歌手も、スポーツ選手も、役者もみんな練習してうまくなる。話し方も同じ。

②Passion

ぺらぺらとしゃべることが重要なのではなく、情熱をもって語ること。これが何より大切だ。そうした思いが伝われば、聴衆もちょっとしたミスぐらい許してくれる。

③Personal

多くの人を前にして話すとしても、その一人ひとりが「自分に話しかけられているのかな」と思えるぐらい、パーソナルな雰囲気を作り出すべき。一方的に話すのではなく、「会話」をするのだと思うことが重要だ。

※本連載は隔週火曜日に掲載します。次回をお楽しみに!

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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