日本では、ディベートに対して、「詭弁を助長するだけ」「『正解』を覚えることが中心の日本の教育制度にはそぐわない」といった批判や、競技として導入することへの抵抗もあるようだ。ディベートに関する本格的な教育を受けた専門家や指導者が少なく、十分な研究に基づいた指導手法がまだ、確立されていないという事情もあるだろう。
一方で、グローバル化の波は否応なしに押し寄せている。日本の国際的な発言力の低下が叫ばれる中で、世界の舞台で、自らの主張や意見を論理的に語り、説得し、相互に理解しあうための「語り部」となるリーダーたちの育成は急務であり、その過程で、ディベート教育は避けては通れない道ではないだろうか。
パブリックスピーキングの3つの黄金則
最後に、前回と同様、"ディベートの鉄人"ラドリー・グラッセー氏に聞くコミュ力アップ3つの黄金則を掲載する。今回は、パブリックスピーキング編だ。
①Practice
人前で自然にうまくしゃべれる人などそうはいない。結局は練習に次ぐ練習。これに尽きる。歌手も、スポーツ選手も、役者もみんな練習してうまくなる。話し方も同じ。
②Passion
ぺらぺらとしゃべることが重要なのではなく、情熱をもって語ること。これが何より大切だ。そうした思いが伝われば、聴衆もちょっとしたミスぐらい許してくれる。
③Personal
多くの人を前にして話すとしても、その一人ひとりが「自分に話しかけられているのかな」と思えるぐらい、パーソナルな雰囲気を作り出すべき。一方的に話すのではなく、「会話」をするのだと思うことが重要だ。
※本連載は隔週火曜日に掲載します。次回をお楽しみに!
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