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台湾の天才IT相「スマホ画面を指で操作しない」訳 人を簡単に支配するテクノロジーが存在する

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それまでは、市民が議論の内容を知るのは、すでに公表されている情報に抗議の声が出たときだけだったんです。私たちは「徹底的な透明性」を確保することで、抗議という形でしか参加できなかった市民を、教育政策を決めるプロセスから巻き込むことに成功したのです。

この新しいルールは、各学校の運営原則にも影響を与えました。今ではそれぞれの学校が、校内カリキュラムの検討委員会に、生徒や卒業生、保護者も入れることで、オリジナル性の高い授業計画を作っています。というのも、この改革の重要テーマの1つが、高校の授業科目に、学校が決めたものと選択科目の両方を入れることだったからです。

高校にも大学と同じ委員会を置いて、もっと多くの人が透明性の高い方法で参加する、そうすれば、まったく立場の異なる人たちが全体を理解して、大筋で合意できるようになるでしょう? だから私はこの仕組みの導入に、エネルギーを注いだのです。

今14歳に戻ったら違う選択をする

堤:「透明性」と「参加型」、まさに2つとも、私たちのこの対談の中で何度も出てきた、デジタル民主主義の必須要素ですね。そのシステム導入は、台湾の子どもたちの未来への素晴らしい貢献だと思います。

ではもし、今のあなたがもう一度14歳の自分に戻ったら、きっと前回と違う選択をするのでは?

『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』(NHK出版新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

タン:しますね。そしてそれはとても重要なことなんですよ。あの改革で台湾の教育は、1つの連続する活動になったので、もうあのときのように辞める選択をする必要がありません。実験教育で学びながら、システムをフル活用して遠隔学習を始めることができるのです。

今や台湾の生徒の最大10%が、独自にカリキュラムを決めていますよ。14歳だった私は、それをすることと引きかえに学校施設の利用権利を失った。でも今の子どもたちが私のように権利を失うことは、もうありません。ね、恵まれているでしょう?

堤:ええ本当に!学びたいと思った時に選択肢があるかどうかは、その子の人生を左右しますよ。大人になったオードリーから次の世代へ手渡した、最高の贈り物ですね。ちなみにこれは、途中で普通のカリキュラムに移ることもできますか?

タン:移れますよ。一般教育のシステムに戻りたくなったら、簡単に戻れます。自分のオルタナティブ教育のカリキュラムや学んだ教訓を学校に持ち込み、参加型委員会にカリキュラムに関する情報を提供すれば、その学校で新しい授業を始めることもできます。

哲学やeスポーツ、何でもOKです。このシステムのおかげで台湾の子どもたちは、基本教育のあらゆる段階で、研究寄りの実験学校と、学力向上を重視する一般の学校との間を、自由にジグザグに進むことができるんです。昔はごく一部でしたが、今はすべての学校でね。

堤:まさに国の未来を変える改革ですね!私が一番すばらしいと思うのは、これが生涯を通じて学び続けられるシステムになっていることです。

タン:そのとおり!「生涯学習」こそ、われわれが目指す教育のゴールです。

堤:オードリーありがとう、今日あなたとこうしてお話しできて本当によかった。デジタル革命の先の未来を決めるのは私たち1人ひとりだということを、改めて確信できました。アプリのように、ファシズムではなく民主主義のほうにアップデートしていきましょう。そして次回はリモートではなく直接お会いしたいですね。

タン:こちらこそとても刺激的で楽しい時間でした。ありがとうミカ、話せてよかった。次はぜひリアルで会いましょう。

(翻訳協力:前田真砂子/株式会社トランネット)

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