「投資を恐れる人」が見落としがちな3つの視点 「お金」「時間」「労力」「信用」という資産を投じる

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アメリカの心理学者、ダニエル・カーネマンらは、提唱する「プロスペクト理論」の中で、「人は損失を避けようとする習性がある」と指摘し、その思考の癖を「損失回避性」と呼んでいます。

先ほどの1問目では、Bなら100万円を手にするチャンスがあるのに、損失を回避するために、確実に70万円もらえるAを選ぶのが人の心理です。

逆に2問目では、100万円支払う危険性があるにもかかわらず、Bを選んでしまいます。より損失を小さくするために、10万円の支払いで済む〝かもしれない〞可能性にかけてしまうわけです。

1問目と2問目では、確率に対する評価が真逆になっていることがわかるでしょう。それだけ「損をする」ことを恐れているんですね。

ローリスク・ローリターンの選択は堅実です。ここで理解していただきたいのは、自分にとって本当に正しい選択なのかを考えようということです。

投資家は人の損失回避性を理解し、「自分は損失を無意識に避けようとするものだ」と知ったうえで、より合理的な判断をします。習慣的に損失を避けていると、実は少しリスクをとったほうが期待値が高いことも見逃してしまいます。

まずは自分を俯瞰するところから始めてみてください。そして感情を一度横に置いて、事実を見ることが大切です。

ブランド嫌いな人が見落とす見えないリターン

例えばあなたが新しい洋服を買うとき、どのようなことを考えるでしょうか。

デザインが好きかどうか。素材や縫製の質は良いか。価格は適正か。自分の予算と合っているか。持っている服と合うかどうか。そのようなことを考えるかもしれません。これらは服というモノを手に入れる消費的な思考です。

投資家思考では、モノを買った後の「目に見えないリターン」まで考えます。

この服を着たら、すごく気分が上がるかもしれない。家族や友達が「素敵だね」と褒めてくれるかもしれない。もっと出かけたり人に会ったりしたくなるかもしれない。

これらはすべて、将来の不確実なことです。そこに対してお金や、買いに行く時間や労力をかけるかどうか。これが、投資家的にいうと「リスクとリターンのバランス」を考えることになります。

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