西九州新幹線「大村車両基地」はどんなところか N700S「かもめ」もお披露目、開業へ高まる機運

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これらの総合監査・検査が終了すると、JR九州による乗務員訓練が繰り返される。そしてすべて整った段階で鉄道事業法に基づく行政手続きとして国土交通省による工事の完成検査が行われる。同時にJR九州に対しては車両の確認や、営業設備・組織体制等も万全であるかの監査が実施され、いずれも問題なしと判断されることによって、晴れて開業の日を迎えることになる。

博多―長崎間は、武雄温泉駅での「リレーかもめ」との乗り継ぎにより約1時間20分、現行の特急「かもめ」よりも30分程度の短縮となる。

並行在来線は上下分離、非電化路線に

一方、西九州新幹線の開業により、並行在来線である現長崎本線のうち肥前山口(江北と改称)―諫早間が上下分離方式に移行する。第3種鉄道事業者として、佐賀・長崎両県により組織された一般社団法人佐賀・長崎鉄道管理センターがインフラを持ち、運行は引き続きJR九州が第2種鉄道事業者として担う。

『鉄道ジャーナル』2022年6月号(4月21日発売)。特集は「輸送密度の非情」(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

長崎方面への特急列車がなくなり需要が大きく減ることから、コストダウンを図るために普通列車は気動車で運転することになっている。その一方、一定の利便を維持するため博多―肥前鹿島間には特急電車が運転される。

設備の関係で折り返しは隣の肥前浜で行うため肥前山口~肥前浜間は電化設備を残すが、肥前浜から長崎方面は電化設備を撤去することになる。また、そうなると現川経由の諫早~長崎間は電化区間として孤立するため、JR九州も同区間の電車運転を取り止め、気動車運転とする。なお、貨物列車は現状で鍋島までの運転で、とくに影響はない。

佐賀・長崎鉄道管理センターは現在、1月に第3種鉄道事業許可を取得したことを受け、国土交通省に届け出る安全管理規程およびその実施基準の作成、JR九州から資産譲渡を受けるための資産の精査という2つの作業を主な業務としている。同センターでは、佐賀・長崎両県およびJR九州からそれぞれ2名の人員構成で業務に当たっている。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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