西九州新幹線「大村車両基地」はどんなところか N700S「かもめ」もお披露目、開業へ高まる機運

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こうして車両と車両基地が公開されるまでに着々とスケジュールが進む中、各駅の建築工事も完成の域に達している。武雄温泉駅は、既存の佐世保線高架駅に併設され、博多~武雄温泉間を結ぶ在来線特急「リレーかもめ」と新幹線の接続のために、かつての新八代駅同様、同一面ホームで対面乗り換えが可能な構造になっている。

以前の在来線駅の2面3線のうち南側1線がリレー特急用で、新たな新幹線側ホームでの乗降になる。既存の在来線ホームには柵が設置され、新幹線改札内のエリアと完全に区分されている。新幹線列車が着発するホームとしては相対式2面2線の配置であり、リレー特急と対面しない側のホームは武雄温泉駅での接続体制が続く限り、異常時等の予備的な使用にとどまることになろう。車両基地完成式が行われた3月19日現在、建築工事は竣工、エレベーターやエスカレーター等の機械工事も完了、電気工事が仕上げ段階にあった。

いよいよ試運転、まずは入線架線試験から

嬉野温泉、新大村の両駅は相対式2面2線の高架駅、諫早駅は在来線とともに橋上駅舎を持つ地上ホームの相対式2面2線、そして長崎駅は在来線駅と並ぶ2面4線の高架駅となる。

終着駅となる長崎。在来線ホームは一足先に高架新駅に切り替えており、新幹線開業で様子はさらに変化する(写真:仲井裕一)

これらの駅も、建築関係は一部でサインや外構の工事を行っているが、完成が近い。機械工事は完了し、電気工事は仕上げの段階にある。今後は、各駅ともJR九州による券売機や自動改札機はじめ駅としての営業設備の設置が進められてゆく手はずである。

なお、新幹線開業にあわせて大村線にも新駅が設置される。大村市内に2駅とされ、1カ所は諏訪~竹松間で新幹線駅に併設される新大村駅であり、新幹線と在来線の乗り継ぎ利便を図る。もう1カ所は竹松~松原間の新幹線大村車両基地に隣接する地点であり、駅名もストレートに「大村車両基地」と名乗ることが決定している。

4月に入るとJRTT、JR九州により、全線にわたる構造物および設備の総合監査・検査が予定され、実際に低速で車両を動かす入線架線試験が車両基地内から開始される。全区間全線路にわたる入線架線試験が完了すると、5月上旬から6月にかけて速度を引き上げてのATC現示試験、さらに速度向上試験の段取りであり、そのころになると本線を往来する「かもめ」の姿が目に入るようになるはずだ。

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