以下の表をご覧ください。どちらも市販のたくあんの「裏ラベル」にある成分表示ですが、片方は「伝統的な製法で作られたもの」、もう片方は「大量生産されて安く買えるたくあん」です。
「昔ながらのたくあん」は添加物がゼロですが、大量生産品はかなりの添加物が使われています。
干し大根、米ぬか、食塩、昆布、砂糖
*市販のたくあん(の例)
大根、食塩、米ぬか、漬け原材料〔糖類(ぶどう糖果糖液糖、砂糖)、食塩、発酵調味料、醸造酢〕/酸味料、調味料(アミノ酸等)、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(ステビア、甘草、サッカリンNa)、黄色4号
なぜ漬物には、添加物が多く使われるのか
一般的に言って、漬物は添加物が多く使われている食品です。私が食品加工会社の現役時代は、「漬物」「練り物(ハム、カマボコなど)」「たらこ・明太子」は添加物が多く使われる3大市場でした。今もあまり状況は変わっていないと思います。
では、なぜ漬物に添加物が多く使われるのでしょうか。理由は大きく3つあり、1つめは「色」で、これがいちばん大きい。
コンビニなどで、カットされた大根漬けのパックが売られていますが、ものすごくキレイな真っ黄色に染められています。あれは多くの場合が「合成着色料」の色です。
別にたくあんだけではありません。野沢菜は「青色1号」と「黄色4号」を混ぜて緑色に、柴漬けは「赤106号」で紫に、福神漬は「赤色102号」と「黄色5号」、しょうゆ漬けは「カラメル色素」で、それぞれ着色されているものが数多くあります。
さらにはつや出しの「増粘剤」や「ソルビット」も使うことで、表面がテカテカして、切ったあとも干からびにくくなります。それくらい、「色」「見た目」をよくするために、「合成着色料」などの添加物が使われているのです。
2つめは「味と食感」。これも前述のように発酵していない分、「保存料」や「酸味料」「甘味料」などの添加物が使われます。
いまどきは食べたときに「しょっぱい!」と感じるのはダメで、「甘くて軽くしょっぱくて、さわやかな酸味がある」という味が好まれます。それを手軽に出すのが添加物です。
それから食感。今は「固いもの、かみ応えのあるもの」は嫌われて、「ポリポリした軽い食感」が好まれます。たとえば昔ながらの、干して固くなったたくあんなどは好まれません。だから干して発酵させて作ったものではなく、添加物の入った調味液につけて作る「浅漬け風」の商品が多くなるのです。
そして3つめは「保存性」で、それは先ほど説明したとおりです。
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