新人を「早く立ち上がらせる」ちょっとした工夫 「マネージャーが見せるべきは“物語"だ」

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――カルチャーは、どのように組織や個人に浸透させるのでしょう。

基本はマネージャーによる「lead by example(見本を示す)」、日本語でいう「率先垂範」ですね。会社のカルチャーを自ら体現していくことで、メンバーに浸透させます。マネージャー自身が「カルチャーに沿った判断や行動をできているか」と360度評価をされることもあるんですよ。

そしてもちろん、オンボーディング・プログラムの中にも、そうしたカルチャーを学ぶトレーニングが必ず含まれています。あるケースがあった時に、Aという行動はカルチャーに則っているけど、Bは反している、といったことを勉強して体得していくんです。

――日本でも企業理念などといった言葉はありますが、それとは違う?

あくまで一般論ですが、シリコンバレーの企業の方が、社員の行動がカルチャーに則っているかどうかを非常にシビアに見ていると言えます。

例えば最近ならば「ダイバーシティ&インクルージョン」、要するにあらゆる差別をなくして多様性を実現することがカルチャーに含まれているとしたら、それに反する行動をとった場合には、その人の進退に関わる大問題になります。

マネージャーに必要なのは、言葉と物語の力

――曽根原さんご自身は、新メンバーを育てるマネージャーに大切なことは何だと思いますか?

マネジメントには技術的な側面よりもむしろ「言葉の磨き方」が重要だと思っています。

いかに分かりやすく、簡潔な表現で本質を捉えて相手に伝えられるか。アメリカのPMやEMには、これが上手な人が非常に多いんです。僕自身も優秀なPMやEMと働いていると非常に勉強になります。

――「言葉を磨く」とは、具体的にどういうことでしょうか。

何かを伝える時って、伝えたい人がどういう立場の人なのかを考えて言葉を選ぶ必要がありますよね。その人がバックエンドエンジニアなのか、フロント側なのか、それともWebディレクターやビジネスサイドの人なのか。

マネージャーは、聞き手に合わせて、一つの話題を多様に「翻訳」しなければならない。しかも、ポイントを押さえて簡潔に伝えなければならず、これには経験も必要です。

シリコンバレーでは英語が第2外国語の人も多いので、難しい単語や表現ではあまり伝わらないという側面もありますしね。

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