日本人がメタバースの勝者になりえる3つの強み 日本の文化や高給でソシャゲつくった頭脳が生きる

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日本もメルカリやスマートニュースがグローバルで戦っている。しかし、グローバルに挑戦したい、グローバルに世の中をよくしようというスタートアップ企業の絶対数がまだまだ少ない。

過去10年を振り返って日本にとって痛かったのは、IT産業に集まった優秀な頭脳と技術を持った人たちが高い給料をもらいながら作ったのがソシャゲだったことだ。ドメスティックな価値しか持たないガチャを設計していた。これが日本の現実だ。ふたを開けてみたら、この10年間で世界的に使われている日本のスマホアプリは何ですか? という問いに1つもあがって来ないという結果に終わった。

でも逆に言えば、これからが逆襲のチャンスだと僕は考えている。

ソシャゲ作りの経験がそのまま生きる

スマホ向けにゲームを作っていた人材のスキルセットは、実はメタバースを作るのに使えるからだ。ゲームエンジンを駆使し、キャラクターを量産し、演出を作る。その経験が生きてくるのである。しかも3Dコンテンツを、スマホというスペック的にシビアなデバイスの上で作っているのだ。快適な体験が重要なメタバースにおいてそのチューニングにかけた経験はとても貴重だ。

一方、シリコンバレーはこれからメタバース人材の不足にあえぐはずだ。フェイスブックはメタと改名し息巻いているが、メタバース産業を牽引している技術アセットはゲーム産業のものなので、スマホでネイティブアプリを作っていた開発者を転用しづらい。

日本では、かつては任天堂とセガが、現在は任天堂とソニーがゲームハードで戦っており、切磋琢磨しながら発展してきた。ゲームと言えば日本製みたいな時代があった。そのおかげで日本は今でもゲーム産業に足腰の強さがあり人材も豊富だ。

ゲームの人材がそのままメタバースに移動可能なのは、国として見るとすごくいい状況だ。市場が発展するにはヒト・モノ・カネの流入が重要だが、そのうちのヒトにおいて日本は圧倒的なアドバンテージを有しているのである。

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