日本人がメタバースの勝者になりえる3つの強み 日本の文化や高給でソシャゲつくった頭脳が生きる
メタバースという言葉を知っていますか?
オンライン上のデジタル空間を指すメタバースは、1992年にSF作家ニール・スティーヴンスンが発表した『スノウ・クラッシュ』という小説に初めて登場しました。これが後に、数多くの起業家にインスピレーションを与え、インターネットに続く新たな経済圏として世界的なバズワードになっています。
フェイスブックから名前を変えた「メタ」を筆頭に、多くの世界的な企業がメタバースに注力する現在、日本企業にとって勝機はあるのでしょうか? 『メタバース さよならアトムの時代』の著者・加藤直人氏は、「日本の強み」を3つ挙げます。重要な鍵は、これまでソーシャルゲームを作っていた人材です。
優秀な頭脳と技術を持った人が作っていたソシャゲ
僕が育った平成の30年間は、日本にとっては間違いなく暗黒時代だった。
GDPは横ばい、名目賃金上昇率はなんとマイナスだ。Made in Japanの栄光は見る影もなく、グローバルでは、IT産業における日本企業の存在感はないに等しいというのが現実だ。
しかし、令和になって以降、この国の変化への意志に希望を持っている。そしてメタバースが今の日本の状況を打破するきっかけになる──そう僕は信じている。
その理由をこれから述べていこう。
①ゲーム産業のスキルセットを転用できる
日本は世界的に見てもゲームに強みを発揮してきた国だ。2010年代はスマホ全盛の時代だった。スマホの時代に日本のIT産業は何をしていたかと言うと、ソシャゲ(ソーシャルゲーム)を作っていた。
その間に、海外では民宿のシェアリングサービスのAirbnb(エアビーアンドビー)やタクシー代わりにクルマとドライバーを配車するUber(ウーバー)が生まれ世界を席巻している。どちらのサービスもアメリカ発だ。基本的にスマホ時代を牽引するIT企業はアメリカと中国を中心に多数生まれた。
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