日本人がメタバースの勝者になりえる3つの強み 日本の文化や高給でソシャゲつくった頭脳が生きる
日本はアニメ、マンガのようなバーチャルなカルチャーが極度に発達している。コンテンツやキャラクターのIP(知的財産)を多数持っていることは大きな強みだ。
しかも、アニメやマンガはまさに「バーチャル」だ。考えてみてほしいが、平面的な線だけで構成されている絵を見て人間だと認識できるのは不思議なことだ。しかし、それは人間なら誰でもデフォルトで持っている想像力であり、パターン認識能力だ。
「へのへのもへじ」を顔だと認識できる人間の脳はすばらしく、バーチャルな世界を受け入れる柔軟性がある。デフォルメされたものは、コンテンツの中にバーチャルならではの価値を持たせる効果も発揮する。
日本が今、世界に届けているのもゲーム・アニメ・マンガだ。日本のゲーム・アニメ・マンガはメディアミックスも盛んで、世界各国の人たちが日本産だと意識することなく摂取している。
このIPの強さと、マンガやアニメに誰もが子どもの頃に触れていたというカルチャーは、メタバース時代にふさわしいものだ。なぜならリアルなものをそのままバーチャルに持ち込むのは意味がないからだ。
日本人はSF作品『ドラえもん』を見て育った
僕らは物心ついた頃から『ドラえもん』を見て育っている。それはこれから迎えるメタバース時代を控えて、英才教育と言っていいものだ。日本で生まれ育った人は、4次元ポケットから何でも出てくるSF作品を子どもの頃から親しんでいる。『ドラえもん』という固有名詞が通じない日本人はいない。「タケコプター」や「どこでもドア」は一般常識だ。
SF的な概念とそれを表す言葉を共通言語として持つということ自体に価値がある。「メタバースではどこでもドアが簡単に作れます」と言っただけで即座にイメージがわくのはすばらしいことだ。
他にも『攻殻機動隊』や『ソードアート・オンライン』はメタバースのような概念を設定に用いており、海外でもよく引用される。細田守監督のアニメ映画『サマーウォーズ』や『竜とそばかすの姫』にもメタバース的な世界が登場する。こうした作品を日本語で楽しめるのは日本で生まれ育った者の特権だ。
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