初夏を感じる「トマトの冷製パスタ」をつくるコツ オリーブオイルを控えてすったトマトを利用

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ところでイタリア人は冷たいパスタを日常的には食べない。だから、イタリア料理愛好家のなかには冷製パスタに眉をひそめる人もいる。

でも、暑い日本にはぴったりだ。日本にはもともとざる蕎麦もあるし、ご飯を氷水で洗い、冷たい出汁や煎茶をかける料理もある。日本人は冷たい料理に抵抗がないのだ。

イタリアでも冷製パスタを食べるように

もっともイタリアでも最近は少しずつ冷製パスタを食べる機会が増えている、とも聞く。原因はこのところ毎年のように続く異常気象だ。

暑い夏は冷たい飲みものをがぶ飲みせずに、トマトのすりおろしのようなもので水分を摂りたい。日本の夏も毎年、暑くなっている。これから先、気候がどうなるかは誰にもわからないけれど、とりあえず今は涼しい料理で夏を越えよう。

トマトをすりおろしてつくる初夏の冷製パスタ(同書より)
トマトをすりおろしてつくる初夏の冷製パスタ

■材料(2人分)
 トマト 2個(1個半はソースとして、残りはトッピングに)
 オリーブオイル 大さじ1
 塩(A) 小さじ1/2
 きゅうり 1本
 黄色ピーマン 小1個
 小玉スイカ 1/4個
 オリーブオイル 大さじ1
 ワインビネガー 小さじ1
 塩(B) 小さじ1/4
 カッぺリーニ 100g
 水 1.5ℓ
 塩 22.5g(大さじ1+小さじ1/2くらい)※ゆでる際に入れる

■つくり方
 1 トマト1個半は皮ごとおろし金でおろし、オリーブオイルと塩(A)を加える。冷蔵庫で冷やしておく。
 2 きゅうり、黄色ピーマン、小玉スイカ、残りのトマトは7〜8mm角に切り、オリーブオイル、ワインビネガー、塩(B)で和えてトッピングとする。
 3 鍋に塩分濃度2%の湯を沸かし、カッぺリーニを2分間ゆでる。ゆで上がったらザルにあげて冷水にとり、キッチンペーパーで水気を切る。
 4 1のソースで3のカッぺリーニを和え、器に盛り付ける。2のトッピングをのせたらできあがり。
樋口 直哉 作家・料理家

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ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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