今「PHEVを買っている人」はどんな人なのか? 購入者データから見えた「PHEV市場」の現在地

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振り返ってみればRAV4 PHVは、2020年6月に月販目標300台で販売を開始したが、1カ月も経たないうちに受注停止となるほど、当初から人気があった。2021年12月に発売された新型アウトランダーPHEVは、月販目標1000台に対し、2022年2月上旬時点の受注台数が1万台を突破している。

2021年12月に発売された「アウトランダーPHEV」(写真:三菱自動車)

では、PHEVはどのように購入されているのだろうか。PHEVを購入した人々が、購入の際にどういった意思決定プロセスを経たか、「購入関与の状況」を見ていこう。

PHEVを購入する際には、BEVほどシビアではないにしろ、ガソリン車やハイブリッド車よりも検討事項が多いことは想像できる。例えば自宅に充電設備を設置するのか、自宅周辺に充電スポットはあるのか、自宅からEVモードで走行可能な距離はどのあたりまでなのか、などだ。

そこで、「すべて自分1人の考えで決めた」「自分の考えを中心+家族/知人の意見も反映」「家族/知人の意見を中心+自分の意見も反映」の3択で聞いてみた。

全体としては、約5割の人が「すべて自分1人の考えで決めた」であった。メーカー別に見てみると、三菱のみ4割弱と少ない。つまり、家族と相談しながら購入している状況がうかがえる。アウトランダーPHEV、エクリプス クロスPHEVともにSUVであり、ファミリーユースとしても多く利用されているため、しっかり相談して決めているのだろう。

支払い方法から見える「手に入れたい気持ち」

次に、「支払い方法」のデータをメーカー別で紹介する。現金一括購入の割合を見てみると、トヨタが6割を超えているのに対し、三菱は5割程度となっている。

 

 

三菱はその分、残クレ(残価設定型クレジット)が多い。残クレをはじめとするローンについては、販売店の営業やキャンペーンの有無なども影響する。

そのため一概には言えないが、三菱(アウトランダーPHEV、エクリプス クロスPHEV)オーナーは、両車種を購入したい気持ちが強く、現金のめどがつく前の段階で購入に踏み切ったのかもしれない。

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