原田知世「50代はいいなぁ」と心から思える理由 興味を持ったことを後回ししない大切さを実感
──ああ、わかります。
原田:それを考えた瞬間に、あ、楽しまなきゃって思いますよね。それで私は、50歳になってからゴルフを始めました。ゴルフって本当に難しくて、なかなかなかなかうまくならなくて、もう1mmぐらいずつ伸びている感じなんですね。だけど、ある日、「あれ!? できなかったことができてる」っていう自分の変化を、この4年の間で何度も実感しています。体力は落ちていくのかもしれないけれど、でも、伸びてる!という、自分の伸びしろを発見したときに、ものすごくエネルギーがわいてきました。
仕事以外で、そこまで夢中になれるものって今までなかったけど、そういう趣味を見つけることも、50代以降はとくに大切だなと思います。
──日常生活の中でできることも、いろいろありそうですね。
何でもない日を、自分なりの楽しい日に変える
原田:何ごとも自分の感じ方次第だと思うので、何でもない日を、自分なりのちょっと特別な楽しい日に変えることができたらいいんじゃないかなと思います。小さなことに喜びを感じられるようにしていきたいですね。あと、もう、あまりいろんなことを考えすぎたり構えたりせず、シンプルになっていたいというか。スッと力を抜いて、誰と会っても、どんな仕事においても自分でいられるような、そんな人になれたら。それが理想ですね。
──前はわりと人見知りだとおっしゃっていましたけど、それもだんだんなくなってきましたか?
原田:そうですね。私は14歳で仕事を始めて大人の中にいて、きちんとしなきゃっていう意識が少し早めにあったので、自分の中で作られているものがあったのかなって。でも、なにぶん4人きょうだいの末っ子で、デビューする前の子どもの頃は、本当に明るくて伸び伸びしていたんですよね。それを思い出して、ある時期から、人に対しても、感じたことを素直に伝えていくようにしたら、コミュニケーションがとてもうまくいくようになりました。
こう言ったら相手に悪いかなとか、考えすぎちゃうのは本当に物事を複雑にするので、できるだけシンプルにしようと思っています。
──そんな原田さんが思う、カッコいい大人とは?
原田:なんの鎧(よろい)もつけず、スッと、自分のままで人と向き合える人が、いちばん強いし、カッコいいなぁと思いますね。そうなれたら無敵だなぁと思うし、できるだけ、そういうふうにありたいです。
1983年、映画『時をかける少女』でスクリーンデビュー。近年は、映画『しあわせのパン』『あいあい傘』『星の子』、NHKドラマ10『紙の月』『運命に、似た恋』、CBDドラマ『三つの月』、NHK連続テレビ小説『半分、青い』、日本テレビ系日曜ドラマ『あなたの番です』、テレビ東京系『スナック キズツキ』など数々の話題作に出演。歌手としてもデビュー当時からコンスタントにアルバムを発表。1990年代は鈴木慶一、トーレ・ヨハンソンを迎えてのアルバム制作や、オール・スエディッシュ・メンバーとの国内ツアーなどで新たなリスナーを獲得。近年はプロデューサーに伊藤ゴローを迎え、充実したソロ・アルバムをコンスタントに発表。高橋幸宏らと結成したバンドpupa(ピューパ)にも在籍。そのほか、ドキュメンタリー番組のナレーションを担当するなど幅広く活動している。
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デビュー40周年を記念したオリジナル・アルバム。川谷絵音(indigo la End、ゲスの極み乙女。、ジェニーハイ etc.)のサウンド・プロデュースによる先行シングル「ヴァイオレット」に加え、THE BEATNIKS(高橋幸宏&鈴木慶一)、高野 寛、伊藤ゴロー、辻村豪文(キセル)、高橋久美子、網守将平という、原田知世の音楽キャリアにおいて重要なアーティストや今回初タッグとなる豪華作家陣が新曲を提供。加えて、「守ってあげたい」と「シンシア」という往年のファンには堪らない2曲の新カヴァーも収録。新しさの中に懐かしさが同居する、現在の原田知世ならではの豊潤なサウンドに仕上がっている。アルバム・プロデュースは、15年にわたり原田知世の音楽活動のパートナーを務めるギタリスト/作曲家の伊藤ゴローが担当。初回限定版(SHM-CD+VD)4070円、通常版(SHM-CD)3300円
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