原田知世「50代はいいなぁ」と心から思える理由 興味を持ったことを後回ししない大切さを実感

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原田この撮影を通して、自分の新しい部分を引き出してもらえたし、自分自身も、もう1つジャンプできた感じがあって、撮影が終わったときに、高揚感と達成感をすごく感じました。それで、まだこれから新しいことを見つけることができるかもしれないなっていう実感と同時に、新しい扉が1つ「ポン!」って開いたような気がして、表現することが楽しいって、また思うようになりました。

その気持ちを持って歌入れできたので、より伸び伸びと表現することができたと思います。ちょうど40周年の手前であの作品に出会えて、本当によかったです。

──それはまさに、「fruitful days」というアルバムタイトルにもリンクするようなエピソードですね。

原田そうですね。タイトルどおりの「実りある日々」だったと思います。

一緒にできる幸せをかみしめたアルバム制作

──アルバム制作において、コロナの影響はありましたか。

原田レコーディングでみんなが久しぶりに集まったときには、当たり前のことが当たり前じゃないんだなぁということも、こうやって一緒にできる幸せも、もう一度かみしめたし。皆さんそうだと思いますが、いろんなことを感じながら、自分にとって大切なものや大切な人がより見えてきて、さらにシンプルになってきたように思います。

コンサートも、ここ2年ぐらいやれていなくて、よりその思いが高まってきているので、いまは6月のツアーがホントに楽しみですね。来てくださるみなさんに、ああよかった、と思っていただけるような選曲も、みんなで考えているところです。

──LEON世代の読者に、アルバムをどんなふうに聴いてほしいですか。

原田映画も音楽もそうですけど、作り終わったものに関しては、こんなふうに見てくださいとか聴いてくださいっていうのはありません。ホントに自由に聴いてほしいですし、何か気に入っていただいて、その方の生活の一部としてこのアルバムがかかっていたら、こんなに幸せなことはないなと思います。これまでもずっと、そっと生活に寄り添うようなアルバムを作りたいと思ってやってきているので、今回も、40周年という冠(笑)がついていますが、気持ちは変わらないですね。

──原田さんにとって、50代はどんな年齢ですか?

原田50代はいいなぁと思っています。40代も楽しかったけれど、50代はより肩の力が抜けて、日々を楽しむことに集中できるというか。それは、当たり前のことが当たり前じゃないとか、いろんなことを知ったうえで、なんでもないことにありがたみを感じられるようになってきたから、小さな幸せを味わえるようになったんだとも思います。

そして50代は、自分の生活や人生に彩りを持たせることを意識したり、考える年代だなぁというか。今までは、時間は永遠にあるように思っていたけど、健康で元気に動ける時間って、実はそれほど永遠じゃない。もう見えてきているじゃないですか。だからこそ、興味をもったことを後回しにしないで、いまやりたいことをやろうと思う。その感覚は40代ではまだ全然なかったけど、いまはとても感じることで、時間の使い方もすごく変わってきました。

(写真:岸本咲子)
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