「第2次世界大戦以来の食糧危機」国連が警告の訳 穀倉地帯ウクライナの戦争が広げる飢餓の連鎖

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戦闘が終結しなければ、世界は飢饉、各国の不安定化、大量移民の危険にさらされるとビーズリー氏は指摘。WFPの食糧配給はイエメンなどではすでに半減、場合によっては停止せざるをえない状況にあると説明した。

「プーチン(ロシア大統領)が戦争を続ける限り、ロシア軍がウクライナの都市を爆撃し救援部隊をブロックし続ける限り、そして包囲された市民が安全な場所に退避できない限り、この人道危機は悪化の一途をたどるだろう」。アメリカのウェンディ・シャーマン国務副長官は国連安保理の会合でこう述べた。

シャーマン氏によると、ロシアは黒海の港から物資を運ぶ少なくとも3隻の民間船を砲撃、同海軍はウクライナからの穀物輸出を断つためにウクライナの港へのアクセスを遮断している。

ロシアが画策する「農業破壊」のプランB

ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、食糧と農業の危機はロシアの責任ではなく、その真の原因はアメリカと西側諸国がロシアに科した「ヒステリックな制裁」にあると非難した。

ネベンジャ氏は、ロシア海軍は船舶が安全に航行できるように人道的な航路を確保したと主張し、こう言った。「飢餓や食糧難を防ぐことができるのは、西側諸国自身だ」。

ウクライナのセルギー・キスリツァ国連大使は国連安保理の会合で、ロシアはウクライナの農業を破壊することで、ウクライナ全土に人道的な危機を引き起こすことを計画していると述べた。ウクライナ占領に手間取ったロシアのプランB(代替策)になっているという。

「極めて残酷なものだ」とキスリツァ氏は語った。

(執筆:Farnaz Fassihi記者)
(C)2022 The New York Times Services

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