全日空は景気回復、JALからの旅客シフト、首都圏空港拡張による需要増とコスト削減で収益性向上の見込み《ムーディーズの業界分析》
首都圏空港拡張による成長への期待
成田国際空港のB滑走路の延伸により、10年3月に年間発着枠は10%増加した。10年10月には東京国際空港(羽田空港、東京)が第4滑走路の供用を開始し、13年には発着枠が現在のほぼ1.4倍になると計画されている。また、今回の拡張により、従来ほぼ国内線専用であった同空港に、国際線の増便が可能となる。
ANAは、今回の拡張を大きな事業拡大機会ととらえ、数年前から大型機に替えて内際一体運用が可能で効率性の高い中型機を中心とした機材への投資を続けてきた。発着枠に余裕がないことで、ANAは運航の効率性向上を妨げられてきたが、今回の拡張により、路線別・時間帯別の機動的な機材配置が可能となる。また、羽田空港の拡張により、成長著しいアジアなどの新たな需要を取り込むという効果に加え、運航の効率を上げることで、収益拡大に貢献する、とムーディーズは見ている。
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