軽とベンツが絶好調!日本自動車市場の異変 2014年の新車販売は「小型車」が独り負け
輸入外国車の好調を牽引したのが独メルセデス・ベンツだ。2013年、2014年と相次いで投入した新型車が貢献し、前年比13.2%増の6万839台と過去最高を記録。メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長がかねて目標として掲げていた6万台を突破した。輸入外国車の年間モデル別トップ20には昨年発売した「Cクラス」など、過去10年では最多の7モデルが名を連ねた。
2014年に販売された輸入外国車を価格帯別に見ると399万円以下は前年割れだった一方、1000万円以上は前年比で3割増と、3年連続で2ケタ増。輸入車の中でも二極化が鮮明だ。ベンツの商品構成は200~300万円台の低価格帯を拡充しつつ、旗艦モデル「Sクラス」など1000万円以上のものもあり、幅広い顧客に対応していることが好調の要因とも考えられる。
エコカー減税が逆風に?
ただ、2015年は一転して逆風が吹きそうだ。今年度に予定されている税制改正において、エコカー減税が見直されるからだ。これまで2015年度燃費基準が適用されていたが、4月以降はより厳しい2020年度燃費基準がベースとなる。たとえば車両重量が1トンの場合、これまでガソリン1リットル当たり20.5キロメートル以上だった燃費が、4月以降は23.4キロ以上でなければ、減税が受けられなくなる。
輸入車をはじめとする普通車は軽や小型車に比べて燃費で劣るため、こうした減税基準の引き上げは不利になる。前出のメルセデス・ベンツ日本の上野社長によると、「これまで、輸入車全体の6割強が減税を受けていたが、税制改正後はそれが3割以下になりそうだ」と言う。2014年は新車市場で二極化が鮮明になったが、2015年は一転して小型車が再び普通車を抜くという構図になるかもしれない。
(撮影:尾形文繁)
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