高校時代、クラスの中でまったく目立たない存在だった堂原(36歳)。彼の元に突然、会話をしたことすらないクラスメイト・美央があらわれる。
17年ぶりに再会した美央は交通事故でわが子を亡くしており、彼女が堂原に頼んだのは「異世界に行った息子と会う方法を教えて」という唐突な内容。
息子の死を受け入れられずに深い傷を抱える美央を、コミュ障でオタク男性の堂原が支えるという不思議な日々が始まった――。
死後、別世界に行くことが物語の始まりとなる「異世界転生モノ」。大ヒットジャンルとなった物語世界を信じ込もうとする、母親の深い悲しみと愛情。この世界で最も大きな喪失感と向き合う物語、『私の息子が異世界転生したっぽい フルver.』(小学館)より抜粋してご紹介します。
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