工場が消える 脱炭素が迫る最後の選択

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脱炭素をきっかけに再加速する国内工場の閉鎖ラッシュ。企業は生き残るために事業転換と海外生産へ突き進む。「輸出立国」という戦後日本の発展モデルが揺らいでいる。

行き詰まる輸出立国
製造業を襲う“新六重苦”

国内工場の閉鎖は今後ますます加速する。日本の製造業はどこへ向かう。

とうとう来たか──。今年1月、国内石油最大手・ENEOSホールディングスが和歌山製油所の閉鎖を発表した。第一報を聞いた地元・有田(ありだ)市の望月良男市長に驚きはなかった。「(閉鎖の)流れはわかっていた。問題はそれが“いつ”なのかだった」(望月市長)。それでもショックは大きい。市の製造品出荷額の約9割を占める事業所が消えるのだから。

日本の製造業、とくに重厚長大産業の国内製造拠点のリストラが増えている。下表では石油(精製)、鉄鋼、自動車の主な事例にとどめているが、造船も再編と事業所閉鎖が相次いでいる。

これまでも国内製造業のリストラは繰り返されてきた。高度成長期の終了、バブル崩壊、超円高、リーマンショック、東日本大震災……逆風が強まるたびに、地域経済を担う工場が失われていった。

アベノミクスによる円安もあり、ここ数年は工場リストラは下火になっていた。それが、脱炭素などを背景に再び閉鎖の動きが広がっている。しかも、この流れはますます加速していくことが確実だ。

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