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コンビナートは変われるか 石油化学|川崎臨海部を脱炭素拠点に

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ガソリン需要減を背景に始まった製油所縮小を引き金に、コンビナートの選別が始まる。

川崎臨海部の石油化学コンビナートは夜景スポットとしても有名だ(Keiji Kaneda/a.collectionRF/ アマナイメージズ/共同通信イメージズ)

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旧海軍の軍港が置かれ、にぎわいを見せた徳山(現在の山口県周南市)は戦後、コンビナートの街に姿を変えた。

出光興産が海軍拠点跡に同社初となる製油所を建設し、1957年に操業を始めた。当時、東洋一の規模と最新鋭の設備を誇った徳山製油所を中核として、周辺に石油・化学産業が集積した。

ところが、出光は2014年に徳山製油所の石油精製を停止し、徳山での燃料油生産をやめた。

稼働停止の理由は明らかだ。自動車の低燃費化などで国内の石油需要が減少しているからだ。石油精製量の削減に手をつけなければ、石油製品が市場にだぶつく。製油所の縮小・閉鎖は避けては通れない。効率が悪くなってしまった製油所は閉鎖するほかない。

石油業界でこうした決断はもはや珍しいものではなくなった。コスモ石油は13年に坂出製油所(香川県)を閉鎖。JX日鉱日石エネルギー(現ENEOS)も14年に室蘭製油所(北海道)での石油精製を停止した。00年前後と比べ、業界全体での石油精製能力は約3割も減った。

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