
きっかわ・たけお 1951年生まれ。東京大学、一橋大学、東京理科大学などの教授を経て2021年から現職。川崎カーボンニュートラルコンビナート検討会議座長を務める。(撮影:尾形文繁)
窮地に追い込まれる石油・化学産業。その生きる道を、川崎カーボンニュートラルコンビナート検討会議の座長を務める橘川武郎・国際大学副学長に聞いた。
──石油産業が縮小しています。
現在、閉鎖が決まったENEOS和歌山製油所を含めて全国には日量約350万バレルの石油精製設備がある。大手元売り3社は、これを90万バレルくらい減らし260万バレル程度にする方向で考えているようだ。
一方で(石油化学製品の材料になる)エチレンの製造は今でも90%以上の稼働率が続いている。昨年国が作ったエネルギー基本計画でも、2030年のエチレン生産量は570万トンと減らない想定だ。これには、中国で増産が進んでいないなど国際的な要因がある。石油精製量が減っても、エチレンの原料のナフサを輸入すれば生産量維持は可能だ。
──コンビナートが生き残る条件は何でしょうか。
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