日本人よ、「反韓・嫌韓ブーム」は見苦しい! 黒田勝弘氏、長引く反韓の空気を憂慮

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━━そうした「情熱」はどこから出ていると思いますか。

友人で京都大学の小倉紀蔵教授から「日本の反韓感情の背景には、(日本の)若い世代の剥奪感がある」と聞いたことがある。剥奪感とは、「韓国のおかげで損をしている」というものらしい。これを韓国人が聞いたら、むしろ彼らがびっくりするだろう。韓国人は、今なお日本に対して剥奪感を感じているからだ。

2000年代から日本や世界で広まった韓流などでようやく、「対日赤字」を少し解消してバランスが若干改善したと韓国人の大半は考えている。ただ、それと「日本から何かを奪っている」とは韓国人は考えないだろう。あくまでも自国の国力回復によって剥奪感の解消はあるからだ。

もともと、韓国人は今でも歴史を含め日本に対する被害意識が強い。日本のほうが韓国と比べて圧倒的に強いという意識がある。日韓のこの意識のギャップは非常に大きい。

日韓メディアが「誤解が誤解」を産む構造に

━━朴槿恵大統領の、いわゆる「告げ口外交」などを見ると、「韓国は日本を邪魔する存在」との見方は首肯する人が多いかもしれません。

反韓の情熱は、確かにそのような告げ口外交から生じているのかもしれない。韓国はことあるごとに日本の足を引っ張る。安倍晋三首相を右翼だなんだとバッシングすることもそうだ。ところが、韓国が日本を批判するたびに、それがネットなどを通じて日本に流れる。それに対して日本人が「また反日か」「けしからん」とすぐ反応する。

そんな反韓ぶりを今度は、韓国メディアが本国に伝える。韓国メディアは反日メディアであり、そんなメディアが毎日のように垂れ流す情報がいかに日本人を刺激しているのかを、彼らは伝えようとはしない。これの堂々巡りであり、誤解が誤解を生み出しているのだ。

━━(聞き手である)記者も韓国に住んだことがあります。当時を振り返っても、実生活でそれほど「反日」を感じたことはありません。

そうだと思う。韓国人は確かに反日だが、24時間365日、いつも反日をしているわけではない。しかし、日本の反韓は「コリアンは365日、いつも反日」を前提にして、それに怒り、不満を述べている。これは、韓国の現状とはどこかズレている。韓国を見て不愉快になってストレスをためる日本人がいるとすれば、そんなストレスを解消するために私が今回本を書いたのだと言っても過言ではない。

私は1970年代から韓国を見てきた。そして住んできた。そして隣国や隣人には多様な側面があることを痛感している。前著の『韓国 反日感情の正体』(同)では、「昼は反日、夜は親日」と書いたが、その続編として、そんな韓国の現実と情報を知ってもらいたい。

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