アラサーのための戦略的「人生相談」--どうすれば、プレゼン上手になれますか?(その2)

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 プレゼンに当てはめれば、話している自分を外から評価する視点です。この視点を持てれば、パニックに陥ることを防げるだけではなく、話に「説得力」が増します。自分と他者のやり取りを、外から観察することができれば、相手の真意を酌むことができるからです。相手の真意を酌むことがないかぎり、プレゼンはうまく行きません。

勝利至上主義が横行するワケ

「スポーツマンシップ」とは、この「事態を客観的に見る」という能力を含んだものです。よく知られている「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉は、事態を客観的に把握せよ、ということにほかなりません。自分の戦力と、ゲームで立ち向かう相手の戦力を把握しなければ、戦略の立てようがありません。

スポーツマンシップは「尊重(Respect)する能力」とよく言われます。たとえば、スポーツをすることは確かに楽しいのですが、「楽しんだり、勝利を目指している自分」を客観的に把握しないと、スポーツを尊重することはできません。尊重できなければスポーツマンではありません。

勝利至上主義がなぜスポーツマンシップにもとるかというと、スポーツの価値を理解していない、つまり「尊重」していないからです。「勝利するのがなぜ楽しいのか?」と言えば、ルールにのっとり良いゲームをするからです。

では、いいゲームは自分たちだけでできますか? 良い相手に恵まれないと、良いゲームはできません。また良い相手が、全力を尽くさなければ、同様に良いゲームはできませんし、良いゲームの中には、良い審判の存在が不可欠です。どれ一つ欠いても、「勝利の意味」は薄まります。

こういった基本的な構造を理解していれば、勝利至上主義になるはずがありません。なぜなら、自分で「勝利の価値/意味」を破壊していることになるからです。これらがウソだ、偽善だと言うなら、小学生相手にずっとゲームをしてみてください。おそらく何十連勝もするでしょう。しかし、それで楽しいわけがありません。

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