日本にもっと輸入車の楽しさを伝えていきたい--大喜多寛 アウディ・ジャパン社長
--エコカー補助金失効後の反動減はないか。
アウディで補助金対象となったのはA3の1.4リットルモデルだけ。ほとんどプラス影響がなかった分、打ち切り後の反動減もない。もともとアウディは価格でアピールするのではなく、ブランドや商品でアピールしている。
--10年の国内の輸入車販売は、フォルクス・ワーゲンが4.6万台、BMWが3.2万台、メルセデス・ベンツが3.1万台と、いよいよ販売台数で迫ってきたが。
確かに数字的に背中は見えたが、シェア競争はしない。輸入車が国内の登録車に占める割合は5%にすぎない。この割合が10%になればみんなハッピー。まずは輸入車が持っている楽しさを日本に伝えていくことが一番だ。
日本では輸入車の敷居が高いとか、国産車に比べて壊れやすいと思われている。だが、今はそんなことはない。イニシャルコストは高いかもしれないが、ランニングコストは変わらない。
ドイツ本社が日本法人に望んでいることは、「BMW、ベンツと並ぶブランドイメージをきちっと作って欲しい」ということ。ドイツと日本はクルマ作りのライバル。その日本で早くブランドを浸透させることが本社の方針だ。
--輸入車ディーラーの経営環境は厳しい。幾つかの輸入車ブランドを併売する「マルチブランド販売」制を求めるディーラーもある。
マルチブランド販売は昔からいわれている。ディーラーにいろんなブランドの売れ筋のクルマを並べることはメリットがあるかもしれないが、それが顧客のメリットになるだろうか。プレミアムなブランドを売っている立場からすれば考えられない。顧客のブランドに対するロイヤルティを一緒にしてはならない。