歴代社長は強烈な個性の持ち主。次世代のソニーを担う「輝く星」はどこにいるのか。
ソニーの歴史を顧みれば、歴代社長は強烈な個性の持ち主ばかりだ。「自由闊達にして愉快なる理想工場」を掲げた創業者の井深大、盛田昭夫両氏。音楽やゲームなど、エンタメ事業の拡大で功績を残した「中興の祖」大賀典雄氏、IT時代への対応を打ち出した出井伸之氏など、その歴史は名物経営者に彩られている。
彼らに比べると、現社長の吉田憲一郎氏はいささか地味にも映る。周囲からの印象は「まじめで正直。人の話をよく聞く」(元社外取締役)といったものが多い。「とにかく勉強熱心。疑問に思ったことをとことん突き詰めるし、その思考も深い」。吉田氏と交流のある経営学者はこのように評する。
吉田氏がソニーを率いて4年目に入った。この間、初の純利益1兆円超えを果たし、株価も2倍に上昇させた。出井氏以降の歴代社長の中で株価上昇率を比べると、平井一夫氏に次ぐ3位だ。
吉田氏は平井氏が社長2年目の2013年末、「会社再建を手伝ってくれ」と平井氏に請われて、社長を務めていたネット子会社のソネットからソニー本社へ呼び戻された。CFOに就任した14年からは改革の参謀役として活躍。吉田氏こそが「ソニー復活」の立役者だとの指摘も多い。実際に吉田氏が自らの業績を語る際には、平井社長時代に始まった12年の中期経営計画を起点にしている。「感動」や「人」を軸にした経営という現在の方向性も、このとき始まった。
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