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ロシアは楽観できないが、株価は値固めへ 「悪いとこ取り」に陥った世界のマーケット

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  • 馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト
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とはいえ、いくら市場が悪いとこ取りに走りすぎているとしても、これほどまで世界の株式市場が波乱をみせた背景は何だったのか。それは、たとえば日米株式市場に、若干ながら買われ過ぎの側面があったことだろう。

米S&P500株価指数の予想PER(株価収益率、株価÷予想一株当たり利益)をみると、昨年末は18倍に迫る水準であった。2006年以降、PERが18倍前後を大きく上回ることがなかったことを踏まえると、やや割高であったと判断できる。

TOPIX(東証株価指数)の予想PERも、昨年12月は一時15.9倍に達していた。2013年の「異次元の緩和」を受けて株価の上振れが行き過ぎた。2013年5月下旬に暴落した時点で16.3倍であり、それに近い水準だった。日米ともに、企業増益の速度に比べ、株価上昇が速過ぎたため、何か売りの口実があれば、利食い売りを浴びやすい地合いにあったと考えられる。

一年の計は元旦にあり

さて、米国時間の9日には米雇用統計(昨年12月分)が発表される。この雇用統計で示される代表的な「非農業部門の雇用者数前月比」は、ぶれが大きいデータであるため、発表される12月分の数値が良いと決めつけるのは危険だ。

とはいえ、中長期的な米雇用情勢が堅調であることから、いずれ内外株式市場は落ち着きを取り戻し、米国が世界景気持ち直しをけん引するとの、明るいシナリオに復しよう。その時こそ、「馬刺し」や「カモ鍋」で祝杯をあげよう。

それでも、「一年の計は元旦にあり」という。すでに元旦ではないが、年初の内外株式市場の下振れは、今年2015年を通じて、何度も波乱があることを示唆しているのではないだろうか。

やはり今年は「未辛抱」の年、ということなのかもしれない。投資家としては、株価が上振れしたところで浮かれ、あわてて買いを積み増すようなことをせず、逆に株価が下振れした局面で狼狽して投げ売りすることはしない、という姿勢が大事だろう。11日には雇用統計を受けてのコラムを執筆する予定なので、ぜひお読みいただきたい。
 

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