ロシアは楽観できないが、株価は値固めへ 「悪いとこ取り」に陥った世界のマーケット

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もちろん、外貨準備は、ルーブル防衛のためのルーブル買い・外貨売り介入や、ロシア企業の外貨建て債務の返済支援など、他の用途に使う必要が生じるかもしれない。また用途を輸入代金に限定しても、1年は持つが2年は持たない、とも言える。

したがって、中長期的にロシア情勢は楽観できない。しかし、今すぐロシアが破たんするかのような不安に市場が囚われている点は、行き過ぎとも言える。
また、米国のシェールオイル・ガス開発業者は、現在の生産コストが、原油換算で1バレル当たり40~80ドルであると言われている。つまり、現在の原油価格では、採算がとれない業者もあるが、利益が出る業者もある、ということになる。

加えて、シェールオイル・ガスの開発は、当初は小規模企業が先行したが、すでに立ちいかなくなった業者は大規模なエネルギー企業に買収されつつある。買収した大企業は、豊富な資金を使って先端の生産技術で設備投資を行い、採算コストも著しく低下している。

すなわち、原油価格下落による、「脆弱なシェール業者のふるい落とし」は、結果として生産コスト低減を実現し、業界として体質強化につながるという展開が期待できる。

そもそも原油価格下落は、ガソリンや軽油、燃料油などの価格低下を通じて、家計や企業にプラスの効果がある。確かにロシア経済やシェール業者向け融資など、現在市場が抱く懸念には中長期的に注視すべき点があるが、エネルギー価格下落のプラス面を全て無視した「ウマカモ市場」が波乱に見舞われているのは、「悪いとこ取りの行き過ぎ」だと考えられる。

「そろそろ底入れ」と示唆する動きも

テクニカル分析でも、日経平均株価は、昨年10月末の追加緩和をきっかけに、50日移動平均線近辺から上放れを見せ、いったん堅調相場に入った。その後は、同12月半ばの株価下振れでも、50日移動平均線を割り込むことはなかった。しかし1月6日の終値では、日経平均(1万6883円)は50日移動平均線(1万7013円)を割り込んでおり、その点で短期的に下げが行き過ぎだと言える。

また米国株は、NYダウが1月5日に前日比で331ドルもの大幅下落を演じた後、6日も続落したが、個別には医薬品のメルク、ファイザーや、消費関連のコストコ、ウォルマート、コカ・コーラなど、ディフェンシブ株は値上がりしており、ガソリン安期待からさすがに自動車のGMも買いを集めている。

1月7日の日経平均は1万6808円と前日の終値1万6883円よりは安く始まったものの、その後は上昇に転じた。ここからは、1万6000円台後半で値固めをする展開になると読む。

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