石炭火力の重荷から抜け出そうと、中国はエネルギー転換に動く。
世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国である中国の脱炭素化は、世界の気候変動目標を達成するために極めて重要である。中国にとって気候変動への対応は、質の高い経済成長と環境問題の解決を同時に実現する機会といえる。習近平国家主席も世界に歩調を合わせるように、脱炭素化への道筋を明らかにしている。
中国の脱炭素化への目標は短・中・長期の3つに分けられる。まず2020年までの短期だ。政府は09年11月に、GDP(国内総生産)当たりのCO2排出量を20年までに05年比40~45%削減するとの国際約束を掲げた。16年に公布した第13次5カ年計画(16〜20年の経済政策大綱)でも、20年までに同指標を15年比で18%削減するなどの目標を決めた。
次に、30年までの中期目標は、15年に国連へ提出したNDC(自国が決定する貢献)に記載したうえ、昨年12月の気候野心サミット(国連)での習主席の表明により強化された。CO2排出量のピークを30年より前とし、同年までにCO2排出量(GDP当たり)を05年比65%以上削減。さらに30年までに非化石燃料の割合を25%程度にするほか、太陽光・風力発電容量を大幅に増やす目標を掲げている。
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