化石燃料を使わない発電として、各社は水素に着目する。海外では事業化も。
三菱重工業やIHI、川崎重工業など総合重工業大手にとって、「脱炭素化」は自らの食いぶちを直撃する一大事だ。中でも最大の課題は、各社にとって大きな収益源になっているタービンやボイラーといった火力発電装置。ただ、化石燃料を燃やす発電が減っても、脱炭素化によりCO2(二酸化炭素)の排出を伴わない発電へのニーズは今後増える。そこで必要なのは、いかに将来のエネルギー源を見定め、その分野での優位性を確保するかだ。
各社が商機を見いだすのは、洋上風力と並んで将来有望な電源と目される水素・アンモニアだ。総合重工3社は、いずれも中長期戦略の重点施策に水素やアンモニアを位置づける。とくに水素は沸点が低く貯蔵が難しかったり、燃焼のスピードが速くバックファイア(過早着火)が起きやすかったりと、取り扱いが難しい。研究開発レベルでは日本は古くから取り組んできた経緯もあり「技術的ハードルがあっても乗り越えられる」(関係者)との期待は高い。
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