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脱炭素に挑む各社の思惑 商社|再エネ、水素事業に熱視線

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大手は得意領域を生かして脱炭素分野での商機をつかもうとしている。

三井物産が出資した米ファーストエレメントフューエル社の水素ステーション

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脱炭素の波が押し寄せる中、総合商社も従来のビジネスからの転換を迫られている。とくに注目が集まっているのが、石炭関連ビジネスの行方だ。

住友商事は2021年3月期上期(20年4~9月期)決算において、豪州で運営しているブルーウォーターズ石炭火力発電所に関連して250億円もの減損を計上した。20年8月に期限を迎えたプロジェクトファイナンスについて、「レンダー(金融機関)に借り換えの要請をしていたがなされなかったため、住友商事グループが保有する投融資全額について減損した」(住友商事)ためだ。

この背景として、NGOの「環境・持続社会」研究センターの田辺有輝理事は「19年ごろから豪州の銀行は石炭事業に融資しない方針を打ち出している」と語る。田辺理事は住友商事の今回の減損を「石炭事業の座礁資産化リスクが表面化した象徴的なケースだ」と強調する。

三菱商事もベトナムで手がけるブンアン2石炭火力発電所を最後に、新規の石炭火力発電所運営事業には取り組まない方針だ。石炭関連事業への逆風は日増しに強くなっており、各商社は既存事業の売却も含めた対応に迫られている。

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