就任早々、パリ協定への復帰を表明したバイデン新大統領。今後、環境への大型投資に着手する。
「2050年までに温室効果ガス排出のネットゼロを実現する」──。1月20日に就任した米国のバイデン新大統領は、大統領選挙期間中にこのような目標を掲げた。世界第2位の二酸化炭素(CO2)排出大国である米国にとって、ネットゼロは野心的な宣言といわざるをえない。目標を実現するには、電力の脱炭素化や新技術の開発を通じて多くの課題を乗り越える必要がある。
最初に直面する壁は、シェール革命によって利用が拡大した天然ガスだ。米国の発電電力量の内訳を見ると、シェールガスが広まった10年代には天然ガスの割合が増加。10年には24%だったが、19年には38%にまで増えた。一方で、10年には45%を占めていた石炭は、19年には23%にまで減っている。
天然ガスは石炭に比べてCO2排出量が約半分という特長がある。排出量が大きい石炭から少ない天然ガスへとエネルギー転換が進んだことで、米国の電力部門のCO2排出量は減少傾向にある。中には石炭火力の全廃を掲げる電力会社も出てきており、石炭火力の比率は今後も減っていく見通しだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら