再エネ制度見直しでも"最大限導入"は貫く 経産省の新エネルギー対策課長に聞く

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――太陽光の買い取り価格が大幅に下がる可能性は。

算定委員会が決めることで何とも言えない。ただ最近は、コストが上昇傾向にある。円安で部材の価格が上昇しており、人手不足で建設費も上がっている。

――バランスのとれた再エネ導入に向け、地熱や水力は出力制御の対象とはせず、原則受け入れとなった。

地熱発電や水力発電は出力の変動が少なく、ベースロード電源として活用される。現状、導入量も接続申込量も非常に少ないので、制約を設ける状況にはない。当面は枠なしで原則受け入れを続ける。一方で、出力が不安定な太陽光や風力を、どう制御しつつ最大限導入を図るかが重要になっている。

コストを踏まえた議論が必要

――政府が言う再エネの「最大限導入」というのは、エネルギー基本計画で目指している「2030年の再エネ比率21%超(発電電力量ベース、水力を含む)」ということか(2013年度の再エネ比率は10.7%、うち水力が8.5%)。

現状ではそうだ。将来的には、今後策定されるエネルギーミックス(電源構成)の中で、再エネをどれくらい導入するかが決められていくことになるだろう。それまではグリッド(電気系統)の制約がない限り、目いっぱい導入量を伸ばしていきながら、制度運用上、直すべきところは直していく。

最終的にはエネルギーミックスを決めていく中で、コストをどう判断するかだ。今後、再エネの導入量が増えれば、賦課金(再エネ買い取り費用)に加えて、系統の整備費用もかかってくる。火力のバックアップ電源を保っていくための電源調整コストも小さくない。これら全体が再エネの導入コストとなるが、再エネをどこまで伸ばしていくことが国民経済的に望ましいのか、みんなで議論して決めなければならない。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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