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そのときICUは地獄だった “命の砦"で何が起きていたのか

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なぜ、病床は逼迫したのか。医療崩壊ぎりぎりに陥った病院の実態に迫る。

湘南鎌倉総合病院が運営する新型コロナ患者専用の臨時施設

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週刊東洋経済 2020年7/18号
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東京都に緊急事態宣言が発令された4月7日。静まりかえった周囲の繁華街とは対照的に、新宿区にある国立国際医療研究センター病院の集中治療室(ICU)には、かつてないほど患者があふれかえっていた。

同9日には人工呼吸器を付けた重度の新型コロナウイルス感染症患者が、過去最多の8人になった。

「同じ病原体の肺炎が同時にここまで増えた状態は、これまで経験がなかった」。大曲貴夫・国際感染症センター長はそう振り返る。ICU6床は満床になり、あふれた2人は、新型コロナ患者専用に切り替えた一般病床で治療が行われた。「ほかの診療科から人員を回してもらわなければ対応できない状況だった」(大曲医師)。

“命の砦”といわれるICUは当時、どれほど逼迫していたのだろうか。参考になるのが、日本集中治療医学会などの関係学会が運営する、横断的ICU情報探索システム「CRISIS」(クライシス)だ。病院の申告に基づき、患者の受け入れが可能な病床数が、リアルタイムで表示される。全ICU病床の約8割が対象だ。

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