コロナ禍で政府資金による企業救済が再び注目されている。
ホテルやレストランの閉鎖など、新型コロナウイルスの感染拡大で、消費者向けサービス業の経営悪化や破綻が伝えられている。今後、その悪影響は全産業にも波及していくだろう。それは個人零細企業だけでなく、中規模企業や大企業にも及ぶ。
そうなると「企業救済」という話が出るようになる。政治的には個人零細企業の救済のほうが重要になってくるが、マクロ経済的に考えると、多くの従業員を抱え、仕入れ、販売なども多岐にわたる大・中規模企業の救済・再生のほうが不可欠な政策となる。
ニューマネーが不可欠
大・中規模企業の再生にとって重要な要素は、「ニューマネー」と呼ばれる真水が投じられるかどうかだ。筆者は2003年に設立された官製ファンド・産業再生機構に在籍し、ダイエーやカネボウを担当した。
その際に示した事業再建案は、とくに奇手奇策があったわけでもなく、当事者や金融機関が作成していた再建案と相似形だった。決定的な差は、ニューマネー投入を前提とした再生計画を作成したことにある。
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